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旅に出よう。海外に行こう。

私のパートでは海外への旅(または旅行)について書いてみようと思います。一時期アホなんじゃないかと思うくらい海外と旅が好きで、ツワモノキワモノ揃いの「旅人」達にあこがれて、毎回胃をキリキリさせながら行った海外一人旅。お金も時間も湯水のように使ったけど、あの"浪費"がなかったら今の私なかったとはっきり言えるくらい、私の人生に影響を与えた『旅』というものの存在。

そんな特別な想いと、旅中のちょっとした知恵やTipsを詰め込んでみました。旅にこっそり憧れるあなたも、今度海外旅行にはじめて行くんだよねというあなたも、この章からひとつでも有益な情報と旅の面白さを伝えられたら光栄です。

旅について

旅とは何か?

まずはじめに『旅』という言葉の定義をさせてください。『旅』と似た言葉に『旅行』がありますが、『旅』と『旅行』の定義はとても曖昧です。ウィキペディアで『旅』を調べると旅行の項目に飛ばされてしまいます。ウィキペディアの旅行のページを読んでみると「旅行(りょこう、英: travel)とは、見物・保養・調査などのため、居所を離れてよその土地へ行くこと。旅(たび)とも。」とのこと。つまり住む場所を離れて、他の土地に行くことを、旅とか旅行と呼ぶのだそうです。辞書上では同じ意味でも、『旅』と『旅行』の言葉の持つイメージは少し異なるように感じます。また、ネットを見ると、さまざまな人がその人独自の『旅』と『旅行』の違いについて定義をしてい文章を見つけられます。

では、この章での、『旅』と『旅行』の違いは?…とくにありません。『旅』を『旅行』に変えて読んでいただいても問題はないかと思います。単純に筆者の私が『旅』のほうが言葉としてかっこいい!と思い込んでいる人間なので、これらの行為を『旅』という言葉を好んで使っているだけです。また、決して国外の旅行、とりわけ一人行動のみを『旅』というわけではありませんが、筆者の独断と偏見から、海外一人旅を想像して『旅』という言葉を使っていくことをお許しください。

なぜ旅に出るのか?

旅なんてしなくても生きていけます。仕事やお金のように生きる上で必須のものではないです。ただ、生きてく上で「何かに行き詰まった時」「言いようのないモヤモヤが続いた時」「同じ日々が繰り返されていて、ふとこのままで良いのだろうかと思った時」つまりあなたが人生を変えたいと思った時、そんなタイミングで旅をすると本当に人生が大きく変わっていくことがあります。「人間が変わる方法は3つしかない。1番目は時間配分を変える。2番目は住む場所を変える。3番目は付き合う人を変える。」という言葉がありますが、旅は一時的にこの全てを変えてくれます。また日常が一時的に中断されることで、なんとなく続いていた無意味な習慣や思考を断ち切りやすくなります。そんな理由で、あんまり深く考えず(深く考えると人は旅に出られなくなります笑)、閉塞感を感じたら一旦旅にでてみるのはありなんじゃないかなと筆者は思っています。

[column] 老後に行けばいいんじゃない? 今はお金も時間もない

いつ旅をするか。それは個人の自由です。お金や時間に余裕ができてからだって良いと思います。ただ1つ伝えたいのは、旅には適齢期があると言われていること。深夜特急で有名になった著者沢木耕太郎氏の長編エッセイ『旅する力』には「私は旅がしたかったのだ」と言う初老の旅人が現れます。沢木氏が今あなたはその旅をしているではないか、と言うとその男は「Too late.(遅すぎた)」と答え、『ああ目の前の彼は若き日に憧れた旅ができる適齢期をすぎてしまったのだ』と悟る話があります。決して、若くないと旅ができないと言うわけではありません。しかし、20代の旅は20代に、30代の旅は30代にしかできないということも事実なのです。

[/column]

旅の準備

どこにいくのか?

あたりまえですが、行きたいところにいくのが良いと思います。誰しも死ぬまでに一度は見たい景色や行きたい場所の1つや2つあるのではないでしょうか?行きたい場所から行きましょう。

ただし最低限の治安には気をつけてください。外務省海外安全ホームーページ(https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html )では国別、地域別の危険情報を見ることができます。危険情報にはレベル1の「十分注意してください」からレベル4「退避してください、渡航は控えてください」まであります。行きたい場所がレベル3や4であれば行くべきではありません。たとえば、インドのページを見てみると、国全域に渡ってレベル1「十分注意してください」に設定されていることがわかります。(HPによると、これは窃盗や睡眠薬を使った強盗が多いことが理由なようです)。これらの地域は十分に気をつけて旅をする必要があります。またインド北部には危険レベルが最大の地域があり、この付近はインド・パキスタン両軍の間で銃撃戦があると表記されています。

インドの危険情報

また、国によっては入国や滞在にビザが必要なところがあります。ビザの条件(日数や値段)が複雑だったり、時にはいきなり仕様が変更されることもあるので、大使館のHP等からよく取得方法を調べておきましょう。 その他、その行き先の『手強さ』を知るには、地球の歩き方等のガイドブックも役に立ちます。地球の歩き方には、その国の危険や治安に関する項目が乗っているページがあるのですが、『手強い』国はこれらのページの割合が高くなっています(インドやアフリカ等)。また、地球の歩き方のページが二色刷りになっているような国はマイナーである可能性が高いため、情報収拾が大変になってきます(そういった国はそもそも地球の歩き方意外のガイドブックではでていなかったりします)。

いつ行くのか

行きたい時、休みが取れたときにいつでもどうぞ。ただし気をつけたほうがよい時期もあります。わかりやすいのはお盆休みやGWなど、日本人の多くが休みになる時期。この時期は日本発の航空券の値段が格段に上がります。この時期に海外へ行くなら、早めに飛行機の値段をチェックする必要があります。

また可能であれば出発を休日の始まりから少しずらす等の工夫をすると、値段が数万単位で下がることもあります。他に気をつけたいのは旧正月(1月後半)やバカンス(7月〜8月)など、外国人の旅行者が急増化する時期。この時期は旅先での宿の値段が上がっていたり、イベントや施設のチケットが売り切れてしまう可能性もあります。また、夏、秋は台風がくることも忘れてはいけません。運が悪いと飛行機が飛ばないかもしれません。そうなったらどうしようもありませんが、覚悟だけはしておきましょう。

また、観光地によってはオフシーズンがあり、お店や宿がしまっていることもあります。観光施設もものによっては数ヶ月単位で閉館してしまうこともあるので、どうしても見たいものがある場合は、今の季節にそれが見られるのかも確認してから行きましょう。また、特定の日にちにしか楽しめないイベント(例:トマティーナ、リオのカーニバル等)の前後日程は付近の宿が取れなくなることが予想されるので、飛行機と合わせて早めに宿の予約をしておきましょう。

航空券の取り方

今の時代、ありがたいことに飛行機のチケットも新幹線のチケットくらい簡単に取れます。様々なサイトやアプリがありますが、やっぱりSkyscanner が便利です。このサービスの良いところは痒いところに手が届く検索機能があるところ。例えば、目的地を入力する欄に「すべての場所」と入力すれば、その日程に買える飛行機の目的地が安い順で並びます。これは休みの日は決まっているけど、いまいち行き先を決めかねている時に行き先の参考になります。 Skyscanner1

逆に、目的地が決まっていて日程を迷っている場合は、出発日を月単位にすることで指定した月中でいつ飛行機代が安いかを棒グラフ形式で確認することができます。時期によっては1日出発日が違うだけで数万違うこともあるので、これらの機能を使って少しでも安く飛行機をとりましょう!! Skyscanner2

お金について

お金の持って行き方

これは、私の個人的なオススメなのですが、必要最低限の現金(数千円分の現地通貨+数万円の日本円)+数枚のクレジットカードを持っていくようにしています。

現地通貨は余らせてしまうと両替する際にムダな手数料を取られてしまうため、旅行の最後に余らせないよう上手に現地通貨に両替します。可能であれば現地の空港から宿までの移動代+αくらいを日本で最低限両替。残りは現地のレートの良い両替所で両替、もしくは現地ATMでクレジットをつかって現金を引き出すと効率がよいと思います。

事前両替は大きな国の通貨なら、金券ショップや銀行でも両替してもらえます。ただしマイナーな国の通貨だと国内で両替できないので、泣く泣く率の悪い空港で変える必要がある場合も。

両替は手数料が安いところ+レートの良い所で両替をした方がお得です。国内で両替していく場合は、金券ショップが銀行よりもレートが良いことが多く、個人的によく使います。ただ、通貨が古くて使えなかったり、偽造紙幣が紛れるというリクスがゼロではないので、気になる人は控えた方が良いかもしれません。また、どうしてもATMが使えない、クレジットカードがすべて使えなかった…なんて事態を想定して、日本円も数万円分持っておくと安心です。(国によってはドルが強いというところもあるので、そういったところにはこれらのお金とは別にドル札を持っていきます)

海外のATMは壊れていることも多く、ATMにカードが吸い込まれる(戻ってこなくなる)ことも多々あるのでカードは数枚持っていくと便利(実際、私も飲み込まれたの1回、友達が目の前で飲み込まれたのが1回ある)。日本だとATMが壊れていることや、現金が入っていないことはほとんどないですが、海外だとよくある光景です。あるATMでお金がおろせなかったら、別のATMで試してみましょう。現地の人々が並んでいるATMがあったら、そこはお金がおろせる”当たり”のATMである可能性が高いです。

クレジットカードを持っていくときの注意点

利用枠に注意

飛行機の支払いをクレカで行なっていると、意外に費用がかさんで、旅行中に利用枠に達してしまって困った…なんてこともあります。そんなときは利用枠を上げるか、他のカードを持って行きましょう。

スキャミングに注意

海外に行った際、カードを使用すると、時折スキャミングされて、勝手にカードを使われることがあります(身内、友人が2回ほど経験あり)。大金が使われた場合はカード会社から電話がかかってきますが、使われる金額が微量だと気がつかずに数ヶ月経ってしまうこともあります。海外に行った後は、念入りに使用額とその使用目的をチェックするようにしましょう。

万が一に備えてカード会社の情報をメモしておこう

ATMで飲み込まれた、強盗に取られた、盗まれた。そんな場合に備えてカード番号とカード会社の緊急連絡先をノートやスマホにメモしておきましょう。国別でかける電話番号が異なる場合もあるので注意。とられてもすぐにカードの使用を止めることで被害を最小限に抑えることができます。

絶対お得な国際学生証

ヨーロッパに行くなら、学生さんは国際学生証を作っておいた方が絶対お得です。国際学生証はISIC協会が発行する国際的な学生証明書で、これを持っていると、さまざまな”学割”を受けることができます。この学割が半端じゃないのです。観光地や美術館はひとつ入るのに千円も2千円もかかるのですが、その半分とか2/3の値段などで入れたりします。一部施設ではタダで入れることも(プラド美術館等)。発行に1800円(税込)かかりますが、ヨーロッパの都市にいくならだいたい元は取れます。社会人の方でも国際学生証に年齢制限はないので、国際学生証の発行機関の学生であれば誰でも作ることができます。たとえば通信大学の学生でも問題もなく発行することができるそうです。 そうそう、今もあるのかわかりませんが、タイのカオサンロードには国際学生証の”ダミー”を作ってくれるところもあり、旅人仲間は記念に作る人もちらほらいました(あくまでジョークですよ。ジョーク…)。

国際学生証の他に、国際青年証という30歳までの人なら誰でも作れるカードもあるのですが、こちらは使える場所がかなり限られてきてしまうので元が取れるかちゃんと確認してから作った方が良さそうです。

旅を躊躇するあなたへ

旅に出てみたいけど躊躇してしまってなかなか旅に出られない…そんな人たちに今まで何度も会ってきました。同時に、長い間悩んだあとに出た旅で素晴らしい経験をして、旅にハマってしまった人もたくさん見てきました。1つや2つの理由で旅を諦めてしまうのは勿体無いです。ということで、ここには『旅に行けない理由』の処方箋を置いていきます。用法、用量を守って楽しくお使いください。

行くのが怖い。勇気が出ない

行ってみたいけど勇気が出ないというのは、旅を躊躇する理由として一番多い体感です。私自身、初めての海外一人旅に行こうか行こまいか、うじうじした経験があるのでよくわかります。でも実際は、旅なんて誰にでもできるし、行ってしまえばどうにでもなるものです。そうやってうじうじと悩んでしまうのは、旅へのハードルが高くなっているせいかなと思うので、以下の2つの対策をご紹介します。

勢いで航空券を予約する

旅で一番お金のかかる航空券を勢いで先にとってしまう方法。キャンセルするとお金がもったいないので嫌でも行かなくちゃ…という気持ちになれます。旅好きサラリーマンの友達は、お酒を飲んでいるときに飛行機を予約するんだそうでう。お酒を飲むと気が大きくなるので、そのときはちょっと背伸びした旅先も行ける気がするんだそう。(まあ、あとで後悔するらしいのですが笑) 酔っ払って飛行機をとれ!とは言いませんが、なんとなく今ならいけそう…という時があったら、なるべく悩まずにさっと飛行機だけ押さえておくのは手法としてありです。悩むならチケットをとった後にじっくり悩みましょう!

ちょっとずつ旅に挑戦していく

いきなり宿も取らず、英語も通じないような秘境へ行くのはハードルが高いもの。そうではなく、ちょっとずつステップを踏んで自信をつけていく方法がこちら。たとえば一人旅をしたことがないのであれば、まずは国内で一人旅をしてみるとか、都内のドミトリーに泊まってみるとか。そういった今の自分にもできそうな、でもちょっぴり挑戦になるような事をまずはしてみる。他にも、もし友達と海外旅行に行く機会があるのなら、1日はみんなと離れて自由行動を楽しんでみるというのも良いかもしれません。そうやって、一歩一歩小さな挑戦を重ねていくと、私にも行けそうな気がする!と思える時がやってきます。

英語が話せない

英語は話せなくても大丈夫です!と言い切るのはちょっと違う気がしますが、中学英語レベルの簡単な単語さえ覚えていれば、そこまで問題なく旅はできます。例えば「トイレ」「バス」「宿」「明日」のような簡単な単語と、身振り手振り+αを組み合わせれば、移動したり、宿をとったりといった旅の基本的なことはできてしまいます。それに、英語が話せないとは言っても、ロシア語よりは英語の方が話せるのではないでしょうか?旅先によっては、英語が全然通じないところもあります。そういったところでもどうにか旅ができるのだから、まあ、意外になんとかなるものです。それでも不安な人は出川哲郎さんの海外ロケを見ると勇気が湧いてくるかもしれません(あの人は他の意味ですごいと思うのですが…とりあえず英語がめちゃくちゃでも目的地にたどり着けることは証明しています)。また、英語が話せないということは、これまでの人生に英語が必要ではなかったとも言い換えられます。

旅に出て、言葉が伝わらなくて悔しい歯がゆいと思った時に、はじめて英語を学ぼうと思えるかもしれません。そんな風に、今まで興味関心がなかったものにも興味が広がるのは、旅の良いところの一つだと思います。言葉の不自由に恐れず、でも言葉の不自由をしっかり感じながら、ぜひ旅をしてみてください。

お金がない&時間がない

どうしようも無い場合もあるのでなんとも言えないです。が、それでも行きたいのなら、方法はあると思います。例えば、お金をそんなにかけられない、という場合でもLCC(格安航空券)のキャンペーン等で場所や日程によっては1万以下で航空券が買えます。宿や料理も贅沢を言わなければ驚くほど安いところがあります(もちろん色々と最低限ですが)。国内旅行で北海道や沖縄に行くくらいなら、国外に行った方が安い場合も多々あります。また、時間がないという場合でも、2〜3日で行って帰ってくるように工夫することが可能です。今はそういった関連の本がいくつも出ています。行きたい国がある場合は、とにかく情報を集めて、虎視眈々とタイミングを見計らいましょう。その日は必ずやってきます。

家族の許可がおりない

特に女性の場合に多いのですが、両親やパートナーなど周りが一人旅を許してくれないということがあります。あなたのことを心配して言ってくれるので、強くは言いづらいと思うのですが、どうしても行きたい場合は、がんばって説得しましょう。はじめての一人旅なら、挑戦的な旅は避けて、宿を事前にとる、空港からホテルへのタクシーは予約しておく、治安の悪い(印象の)国に行かない、などできる限り準備をして、そのこと相手に伝えましょう。はじめは心配してくれますが、旅に行き続けていると、だんだん向こうも慣れてきます。はじめの一回でどれだけ信頼を勝ち取るかが大事です。頑張りましょう。

それでも躊躇するあなたへ

ここまで読んでも、まだ行ける気がしないあなたには強めのお薬を出しておきます。以下に紹介する2冊は、旅に行きたいのに行けないあなたに突き刺さるような言葉が出てきます。心してお読みください。

  • 旅する力…旅人のバイブル『深夜特急』の著者が『深夜特急』が完成するまでの裏話について書いた本です。深夜特急を読んでいなくても楽しめます。とにかく言葉の選び方や注目する視点がすごい…。「旅の適齢期」の話を読むと、もたもたしれられないな、と思えます。
  • アルケミスト…スペインから夢の中で告げられた宝物を探しに、エジプトのピラミッドを目指して長い旅に出る少年の物語。薄いのですぐ読めます。旅がしたいなどの夢を持ちながら、いつの間にか日常に飲まれてしまっている大人たちの登場が心に刺さります。

最後に

この章はさらっと書くはずが、思った以上の長文に…。まあ、あくまで人生の『隠し味』として、時折ふらりと旅すると人生がより楽しく、面白くなります。

誰しもが100%楽しめるものではないし、行きたい人が行けば良いと思っているので無理やり、「みんな旅しなよ!!」とは言いたくないです。でも、もし興味があるけど迷っている人がいたら、「できるだけはやめに行っておいで」とそっと背中を押したいと思っています。「恐れずに、しかし、気をつけて。」またどこかでお会いしましょう。