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保険はちゃんと考える。

生きていくためには様々な保険が存在します。その中で入った方がいい保険、入らない方がいい保険があります。本章では、独断と偏見に基づきいくつかの保険について取り上げたいと思います。

保険の基本

保険は、歴史的な話を取り上げるまでもなく、災害や大惨事に破産しないようにみんなで助け合う仕組みです。特定の個人に対していつどういう災害が発生するかは予測できないが、統計的には発生確率・損害規模は推定されるため多数の関係者・同業者がお金を出し合い、いざという時に備え、一度発生したらその補償を行うという仕組みです。

したがって、想定外、破産レベルに備えるのが保険の基本です。

通常触れる保険には様々ありますが、健康保険、生命保険、損害保険、医療保険、がん保険、自動車保険、自転車保険、養老保険、学資保険、火災保険、地震保険などなど、挙げはじめたらキリがないくらい色々あります。CMでもさまざまな保険が取り上げられていますが、必要に応じて取捨選択することが基本中の基本です。

保険の分類として、先に挙げたように保障する範囲で分類することもできます。さらに加入が義務付けられているかどうかで、強制保険と任意保険に分類されます。あるいは、国などの公的期間が行なっている保険と民間企業が行なっている保険があります。以降、任意保険の中で加入した方がいい、実質的には強制保険でも良いのではないかと考える保険と、あまり意味がないのではないかと考える保険について述べていきます。

保険について知ろう

保険には様々な種類があります。ここでは任意加入するタイプの個人で加入する保険について説明します。簡単な説明はしますが、ここには書ききれませんので、本章をインデックスとして仕組みについて調べたり、要不要を検討したりして、自分にあったプランをぜひ選択してください。

必要と思われる保険金額は個人差があると思いますが、ライフステージによりどこに比重を置くかでも変わってきます。 基本的な考え方としては、「貯蓄に不足する分を補填する」というイメージがよいと思います。また、健康で若いうちに加入すると保険料が安い状態で維持される保険もあります。特に医療保険などは、向精神薬などを処方され、服用した履歴がある場合数年間は保険に入れない(期間は保険会社によります)ということもあるため、加入できる時に入っておくことをお勧めします。

カテゴリとしては、生命保険会社のみで取り扱う保険、損害保険会社のみで取り扱う保険、生保・損保両方で取り扱いのある保険、少額短期保険があります。

生命保険

保険と聞いて一番イメージがわくのがこの生命保険ではないでしょうか。 本人が事故や病気で死亡したり、重度障害を負った際に保険金を受け取るタイプの保険です。最近はリビングニーズ特約といって、余命判断された際に保険金の一部または全額を受け取れる契約もあります。所得税の控除対象になるというメリットもあります。

<終身保険>

保険期間が一生涯となる保険です。解約したときに返戻金が受け取れるため貯蓄として加入を勧められることも多いです。

<定期保険>

保証期間が一定期間の保険です。保障は終身保険と同等ですが、加入期間や年齢で期限が区切られている保険になります。手厚い保障が欲しい特定の時期(子育て中など)だけに終身保険に加えて加入を勧められることが多いです。

<養老保険>

満期が設定されているタイプで、満期までに死亡した場合は死亡保険金を受け取れ、満期まで元気な場合は満期保険金を受け取れるため貯蓄性の高い保険となります。

<個人年金保険>

個人で掛ける年金として受け取れるタイプの保険。 年金生活になったときに生活に必要とされている金額を年金だけで賄えない場合の蓄えとしての選択肢の一つにもなります。

損害保険

<火災保険>

建物や家財に対して備えるための保険。持ち家・賃貸にかかわらず加入することが望ましいです。家財に関しては高価なものについては登録制、金額に上限があることが多いです。

<地震保険>

地震・噴火・津波に対しての被害は火災保険ではカバーされないため、加入が必要な保険となります。上記火災保険とセットで加入する必要があります。

<個人賠償責任保険>

他人や他人の物を傷つけた時に生じる賠償責任に備える保険です。たとえば最近増えているのは人間と自転車、自転車と自転車同士の事故などがこれにあたります。

<自動車保険>

加入が義務となっている自賠責保険でカバーしきれない範囲の対人・対物に対する補償のための保険です。弁護士費用特約が含まれるタイプが増えています。

生保会社・損保会社両方で取り扱いがある保険

<医療保険>

生命保険での中でも病気に備えるタイプの保険です。 三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)、生活習慣病、女性特有の病気など、自分の体質などに合わせて特約を組み合わせることが多いです。保険金の受け取り手続きが簡素化されてきていて、軽度の場合などは領収書のコピーと申請書類の提出だけで済む保険会社もあります。

<介護保険>

公的介護保険だけでは介護費用が不十分と考える人は加入するとよいでしょう。 特に64歳以下で要介護になってしまう、介護してくれる人がいないなどの不安がある人には必要な保険と思います。

少額短期保険(ミニ保険)

短期の保険で様々なタイプがあります。所得税控除の対象にはなりませんが、保険料が安いというメリットはあります。ペット保険や学校行事に対しての保険などユニークなタイプの保険も多いです。

保険の重複やかけすぎに注意

保険の加入のタイミングって以下イベントの時が多いのではないでしょうか。基本的にはライフステージの変化に応じて見直しをかけると良いでしょう。子供が生まれた時には、例えば家族が増えたことで、自分に万一のことがあった時に残された家族が路頭に迷わないように、といった考え方です。

  • 就職
  • 結婚
  • 子どもが生まれた
  • 家を買った
  • 子どもが手を離れた
  • 退職した etc...

家を購入する場合に団体信用保険に加入することを勧められるケースも多いのですが、元々生命保険に入っているなら重複になる部分が有るかもしれません。

収入保障保険ならば、健康保険の補助に不足する分だけなど、どれだけ必要なのかを見極めて加入しないと高い保険料を支払い続けることになります。元々貯蓄があれば保険は必要ないものなので、本末転倒ですよね。

保険を追加することはよくあるのですが、見直しするってなかなか大変ですよね。どれをやめたらいいのか、と不安なこともあります。こういった場合はファイナンシャルプランナーや無料相談などを利用するのも一つの手です。

入った方がよい保険

重大なリスクに備える保険は入っておいた方が良い保険です。重大だけど確率が低いことを保証するのが保険の基本であり王道です。

健康保険は、健康保険(会社員など)、共済保険(公務員など)、国民健康保険(学生、自営業、退職者など)形態は様々ですが、原則強制加入です。国民皆保険と言われるくらいに普遍的に加入していますのでここでは触れないこととします。会社員ならば給料天引きで保険料が徴収されますしね。

ここでは、自動車保険、自転車保険、所得保障保険、火災保険、などが挙げられます。

自動車保険

自動車保険は、加入しておくべき保険の筆頭です。任意保険ではありますが、車を運転・所有している人なら絶対に付けておくべきものです。車をちょっとぶつけたとかはどうでも良い話で、人身事故を起こしてしまった時に数千万円や億に至る補償への対策で行うものです。想定外を想定内にすることが保険です。年間数万円でその無制限のリスクに備えられます。

なお、最近Twitterなどで、任意保険を払えない貧乏人は車に乗るなということか、という言説を見かけることがあります。すぐ、その通りだ、というレスがついていましたが、筆者も同じ意見です。操作を一つ間違えれば、あるいは間違えなくても釘を踏んでパンクして道路脇に突っ込む、あるいは貰い事故でアレするなど、大きなリスクがあり、しかも人の命に関わります。自動車に乗る場合には必須であると考えます。なお、運転車の年齢によって保険料が変わります。基本的に若い人(20代など)は運転に不慣れなどの理由から事故率が高いため保険料が上がります。また運転車の範囲を家族に限定することにより保険料を抑えるなどいくつかのプランがあります。もっとも、家族限定にして保険料を抑えたがために友人と旅行に行った時にちょっと運転を代わってもらって事故を起こしたなどの元も子もない話になるリスクもあります。限定は慎重に・・・

自転車保険

自動車保険と同様、大きなリスクがあります。自転車の絡む事故で高度障害に対して数千万円〜億の賠償請求がなされることも少なくありません。保険に入っているから無茶な運転をして良いというわけではもちろんありませんが、相手が突っ込んでくるリスクは依然として存在します。

最近ならば、コンビニでも申し込みができたり、クレジットカードの付帯補償についていたりサービスとして簡単に申し込みができたりします。また自治体レベルでは加入が義務化されている地域もあります。月々の掛け金も数百円です。一方で自転車事故は警察沙汰・人身事故になるレベルかどうかを別にすれば日常的に発生しています。いつあなたが当事者になるかわかりません。想定外といえど一定確率で起こることを想定内にしておくことができます。

入っても良い保険

生命保険・給与保証保険

給与保証保険、生命保険などは入っていても良い保険と考えます。

ただし、特約の少ないシンプルな保険です。生命保険は、死亡した時に3000万の掛け捨て、などとすると良いでしょう。払い戻し返戻金を当てにするのはやめましょう。戻ってくるお金であっても、一時的には支出になりますし、保険会社の管理コストが上乗せされますから意味がありません。

給与保証保険は、家族持ちの方にはおすすめです。収入の源泉が働けなくなってしまうと家族が困ります。例えば、父親が亡くなり、お金がなくて大学にいけないという状況は、貧困の拡大につながります。それを給与保証保険により補填することができます。お金で買える選択肢を確保しておくことは非常に重要です。世の中お金で買える人生の選択肢というものはあまりありませんが、大学に行くか行かないかという選択肢を、お金がないからという理由だけで閉ざされてしまうことは絶対に避けなければいけません。

学資保険

学資保険は、子供が生まれたら大学の学費のために、などというセールスがかかりますが、ドアノック商品として比較的悪くない条件を提示している場合もあります。契約者が死亡した場合にそれ以降の保険料払込みが免除されるのでメリットはあります。もっとも、セールスがくるということは保険会社にとって旨味がある商品ということ。特に学資保険をきっかけにしてもっと旨味のある生命保険などを売りつけてくるのに注意してください。また、投資商品としてみると、そこまでの旨味はありません。18年間の期待返戻率が106%など。銀行利率よりは良いけれど、年利で考えると、0.32%程度です。信託報酬の低い投資信託の方がよっぽど良い利率でしょう。そういう意味では、必須とも言い切れない状況です。生命保険よりは優先度が下がりますね・・・

入らなくても良い保険・入らない方が良い保険

医療保険は入らなくても良いと考えます。

医療保険は、保険屋が売り込みに来る保険のNo1でしょう。入院1日目から5000円などのセールストークが炸裂しますが、頑張って売るということは保険会社にとって売りたい商品すなわち旨味が多いということ。毎月1万も2万も払っておくメリットはほとんどありません。大病、大怪我の可能性はないとはいえませんが、特に若いうちはご利益を感じることはないでしょう。またある程度年齢を重ねていくと保険料が急激に上昇します。

基本的に日本ではお金を積めば良い医療が受けられるかというとそんなことはありません。健康保険と高額医療費支給制度で相当範囲がカバーされます。したがって、単純な医療保険の費用を貯蓄・運用していた方が良いと思います。入院している間の給料はどうする?といった話が生じますが、医療保険でなく先にに述べた給与保障保険でカバーする方がトータルでは安く上がるでしょう。数日の入院くらいであれば貯金からなんとかして、1ヶ月以上などと長くなれば給与保障保険でのカバー、と考えます。

まとめ

想定外を想定内にするのが保険です。したがって、想定できることをカバーするべきものではありません。ちょっとした入院とかを医療保険でカバーし始めるとお金ばかり出て行きます。そして、相手から売り込みに来るのは、相手が売りたいもの。自分にとってほしいものとは異なります。保険のセールスも専門家ではありますが、鵜呑みにするのも考えものです。必要かどうかの十分な検討と、セカンドオピニオンも重要ですね。要不要についてフィナンシャルプランナーなどの第三者に聞いてみるのも良いでしょう。