A Comprehensive Study of Bug Fixes in Quantum Programs

[gyu-don]

一言でいうと

量子プログラムのバグについて、調査・分類を行った。Qiskit, Cirq, Q#, ProjectQで、量子プログラムに関するバグを96件調査した結果、8割以上は量子特有のバグであった。

論文リンク

https://arxiv.org/abs/2201.08662

著者/所属機関

Junjie Luo, Pengzhan Zhao, Zhongtao Miao, Shuhan Lan, and Jianjun Zhao
Kyushu University, Japan

投稿日付(yyyy/MM/dd)

2022/01/21

結果

調査対象として、GitHub, Stack Overflow, Stack Exchangeから以下の基準で対象を選んだ。

• 量子プログラムに関連するもの(何も量子計算を含んでいないバグについては対象外とした)
• 量子ライブラリ/量子プログラミング言語そのもののバグは対象外とした
• バグ修正前、修正後のコードがあるものに限定した

結果、

• 8割以上が量子特有のバグであった
• 量子特有のバグのうち、7割は1行の変更で修正ができ、6行より多くの修正が必要なものは10%未満だった
  • 古典によるバグも、今回見つかった中では2行以内の修正で収まるものしかなかった
  • 現状の量子プログラムのデバッグコストは低いと言える

また、バグを以下のパターンに分けた。

• APIに関連するバグ
  • APIの使い方を誤っている
  • 古いAPIを使ってしまった
• アプリケーションロジックの誤り
  • 中間表現の実装ミス/実装忘れ
  • (似た機能や似た名前など)間違ったものを使ってしまった
  • ...
  • 量子ビットに関連する誤り(量子ビットの順番、数え方の間違い)
• 実装方針の間違い
  • このバグは直しにくく、修正に必要な行数が増える
• 数学に関連するバグ
  • 数値計算の間違い(ゲートの間違い、行列計算の間違い、...)
  • ランダム性の使い方の間違い
• その他のバグ
  • 設定ミス、型に関する問題、タイプミス、オーバーフロー

分類結果は以下の通り。