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オープンソースプログラムオフィス (Open Source Program Office; OSPO) の定義とガイド

オープンソースは現代のテクノロジーの発展と密接に結びついており、人工知能や機械学習、サイバーセキュリティなど、あらゆる産業セクターや技術分野のコードベースの大部分を支える基盤として機能しています。

ほとんどすべての組織は、オープンソースコミュニティによって作成された技術に依存しています。

OSPO の定義

OSPO の発音は、通常まとめて[オスポ]と言われます。

[WHAT] オープンソースプログラムオフィス(OSPO)は、組織のオープンソースに関する運用と体制の中核的な専門機関として機能します。OSPOはこれらの取り組みを導くための戦略とポリシーを定義し、実施する責任を持ちます。これには、コードの使用、配布、選定、監査、貢献、その他の重要な領域に関するポリシーを設定すること、オープンソース活動に関与する人々(組織内外の人々)に教育とトレーニングを提供すること、既存のオープンソースコンポーネントの持続可能な使用を推進することや適切な場合にこれらのプロジェクトの改良に貢献することによって組織のソフトウェア開発効率を支援すること、必要に応じてソフトウェアのオープンソース化をチームに指導すること、エンジニアリングの効果を確保すること、法的コンプライアンスを確保すること、およびコミュニティとの関わりの促進と構築を含むことがあります。 インナーソース は、オープンソースの近い仲間であり、しばしば OSPO と協力したり、OSPO の一部となったりします。

[WHY] 外部に対しては、OSPO は組織とオープンソースコミュニティの重要な架け橋となって、組織がオープンソースソフトウェアの良き世話役となることや、オープンソースの採用によるリスクの最小化しながら利益を最大限に享受することを確実にする手助けをします。内部的には、OSPO は組織全体のオープンソース関連活動の中心的なインターフェースとして機能し、法的、経済的、技術的、あるいはコミュニティの観点から必要な専門知識を収集します。

[WHO] OSPO は様々な役割を担う人々(オープンソースの専門家)で構成されています:

  • オープンソースイネーブラー:OSPO は、組織がオープンソースコミュニティと効果的に関わるために必要な文化、プロセス、ツール変更の舵取りをするのに役立ちます。これには、チーム/ユニットの教育、新しいプロセスとワークフローの確立、新しいツールとテクノロジーの導入を含むことがあります。

  • オープンソースカウンセラー:OSPO は、最新のオープンソースの動向、ライセンスの動向、およびオープンソースプロジェクト、財団、コミュニティとの関わり方に関するガイダンスとアドバイスを提供できます。これにより、組織が急速に変化するオープンソースの状況を常に最新の状態に保ち、十分な情報に基づいた意思決定を行う手助けをします。

  • オープンソースアドボケート:OSPO は、様々な組織単位にわたってオープンソースやベストプラクティスの使用と貢献を促進できます。これは、組織がオープンソースの利点を認識し、人々がオープンソースプロジェクトに貢献したり、新しいプロジェクトを開始したりするのに役立ちます。

  • オープンソース環境保護者:OSPO は、セキュリティ、メンテナンス、プロジェクトの健全性などの問題に対処することで、組織がオープンソースプロジェクトを長期的に支持および維持できるよう支援します。これには、コードレビュー、セキュリティ脆弱性管理、資金提供や貢献による継続的なメンテナンスとサポートのためのポリシーと手順の確立が含まれる場合があります。そうすることで、OSPO は、オープンソースプロジェクトが健全な状態を維持し、より広範なコミュニティに利益をもたらし続ける手助けをします。

[HOW] OSPO の背後にいる人々がこれを達成する方法は、戦略、ガバナンス、コンプライアンス、コミュニティへの関与などの側面をカバーするフレームワークを作成および維持することです。OSPO の戦略は、組織のオープンソース目標を組織全体の目標と整合させることに焦点を当てており、あらゆる組織単位/グループの部門と連携します。

OSPO は、学術機関、NGO、財団、政府、行政、中小企業、大企業など、さまざまなセクター、地域、組織規模の民間および公的機関で設立できます。組織内の OSPO のような構造には様々な名称が存在することも重要です。名称と具体的な組織形態は、各組織の慣行に大きく依存します。「プログラム」または「オフィス」として組織することは、OSPO の目的を果たす構造を実装する1つの方法にすぎません。

基本的な細分化(ベータ版)

すべての業界、さらには単一業界のすべての企業に適用できる、オープンソースプログラムを構築するための広範なテンプレートはありません。ただし、組織の性質や動機に応じて、OSPO の機能を様々なカテゴリに分類できます。

これらのカテゴリを必ずしもサイロとして考える必要はないことに注意してください。たとえば、以下にリストされている「政府」および「非政府指向」のカテゴリは、「教育指向」と混合されたり、特定の「ビジネス指向」の動機を持つ場合もあります。教育指向の目標を含むトレーニングを提供する「ビジネス指向」カテゴリーでも同様のことが起こります。

  • 📈 ビジネス指向:企業などの営利組織内に設立された OSPO は、オープンソースソフトウェアの使用を通じてビジネス価値を生み出すことに主な焦点を当てています。

    • モチベーションの原動力: イノベーション / 効率 / リスク管理 / 法令順守 / 人材の維持
  • 🎓 教育指向: 大学や学校などの教育機関に設立された OSPO は、オープンソースソフトウエアを使用して教育、研究、学習活動をサポートすることに焦点を当てています。

    • モチベーションの原動力: カリキュラム開発 / 学生の参加 / 知識の共有
  • 👩‍🏫 営利的教育: トレーニングや認定を提供する営利組織に設立された OSPOは、「教育志向」のタイプと協力する可能性があります。

    • モチベーションの原動力: 📈 ビジネス指向🎓 教育指向のハイブリッド
  • 🏛 社会的政府指向: 政府や公的機関に設立された OSPO は、オープンソースソフトウェアを使用して社会的、公的な政策目標(例:国民へのサービス)を達成することに焦点を当てています。

    • モチベーションの原動力: 相互運用性 / オープンデータ / アクセシビリティ / インクルージョン / プライバシー / セキュリティ / 透明性
  • 🌳 社会的非政府指向: 非政府組織(NGO)や財団に設立された OSPO オープンソースソフトウェアを使用して社会に前向きな変化を生み出すことに専念している団体です。

    • モチベーションの原動力: イノベーション / 相互運用性 / 社会正義 / 災害救助 / 人道支援 / 環境保護 / 持続可能な開発

モチベーションの原動力

この文脈において、モチベーションは、目標を達成し、その可能性を最大限に発揮するための原動力となります。上記で定義したカテゴリに基づいて、これらの動機に基づいて OSPO の機能のいくつかをリストにすることができます。

ビジネス指向の細分化

リスクの軽減、エンジニアの手法の改善、経済的利益の実現(ニーモニック:恐怖、愛、そしてお金)

法的リスクの軽減: 多くの場合、企業が最初に懸念するのは法令順守に関するものです。OSPO は多くの場合、企業のオープンソースライセンスコンプライアンスプロセスの側面を監督します。通常、ソフトウェアを配布する企業はこれを最も懸念しており、法的リスクの回避を中心に OSPO を開始します。 この分野におけるプログラムオフィスの責任には次のものが含まれます。

  • オープンソースライセンスのコンプライアンスのレビューと監視の維持
  • 導入されるコードの使用に関するレビュープロセスの実行
  • 企業がオープンソースプロジェクトに効果的に貢献できるようにすること

エンジニアの手法の改善: OSPO は、オープンソース(およびブレンドソース)環境におけるコード管理に関するガイダンスとポリシーを提供することで、エンジニアリング能力も向上させます。多くのソフトウェアエンジニアを抱える企業では、OSPO はエンジニアリングのポリシーと実践に重点を置いています。 この分野におけるプログラムオフィスの責任には次のものが含まれます。

  • オープンソース戦略を社内外に明確に伝える
  • 組織内でオープンソース文化を育成する
  • オープンソースコミュニティへの高品質かつ頻繁なコードのリリースの確保

財務上の利益の実現: 一部の企業は、オープンソースの財務上の影響に焦点を当て、OSPO を活用して、商用ベンダーとオープンソース ベンダーの使用に関する戦略を推進しています。 一方、一部のテクノロジー企業は OSPO (およびオープンソース プロジェクト) を利用して顧客を商用製品に誘導しています。 この分野におけるプログラムオフィスの責任には次のものが含まれます。

  • 戦略を所有および実行監督する
  • 商用の製品やサービスにおけるオープンソースの効果的な使用を促進する
  • 開発者コミュニティと連携して、戦略的なオープンソースプロジェクトの採用を奨励する

それぞれのオープンソースプログラムオフィスは、その特定のビジネス、製品、目標に基づいてカスタム構成されます。


OSPO ランドスケープ

OSPO を持っている組織、またはオープンソースの運用と構造を管理するためにオープンソースの専門家を雇用している組織: https://landscape.todogroup.org/

OSPO ガイド

OSPO 101

OSPO 101 は、オープンソースプログラムオフィスの管理について知っておくべきことすべてを学ぶモジュール式のコースです。 https://github.com/todogroup/ospo101

OSPO の例

OSPO ランドスケープを通じて、その他の OSPO を探索してください:https://landscape.todogroup.org/